アニメもゲームも、彼らが“演じて”いた──マツコの知らないモーキャプの世界 【5/13放送】

名作映画のあの感動のシーン。
人気アニメのリアルな動き。
大ヒットゲームの“あの戦い”──。

私たちが知らずに心を動かされていたその裏で、体ひとつで命を吹き込んでいた人たちがいる。

5月13日放送の『マツコの知らない世界』で明かされたのは、モーションキャプチャという職人たちのリアルな現場。

スーツ姿で演技に挑む俳優たちの姿に、マツコも「知らなすぎた」と驚きを隠さなかった──。

あなたが知ってる“あの作品”も、きっと彼らがいたから生まれた感動なのかもしれない。

モーションキャプチャとは？心を動かす“裏方の演技”

私たちが映画やアニメ、ゲームで目にするキャラクターのリアルな動き。

それを可能にしているのが、モーションキャプチャという技術です。

スーツに装着されたセンサーが人の動きを正確に読み取り、CGキャラクターに命を吹き込みます。

2024年5月13日放送の『マツコの知らない世界』では、その“裏側”に迫る特集が組まれ、マツコ・デラックスが初めてその現場のリアルを体験しました。

モンスターハンターやファイナルファンタジーといった大作ゲームのキャラクターが、4年かけて2600カット以上も撮影されていたという事実に、多くの視聴者も驚いたことでしょう。

「動物からモンスターまで、すべて人が演じているんです」と語るモーションアクターの言葉には、並々ならぬ熱意と誇りが込められていました。

特に印象的だったのは、「俳優」が演じるという点です。

CG技術が進化した現代でも、感情や細かな表現は人間の“演技力”にしか出せないとされており、まさに“見えない名優たち”が支えている世界なのです。

この分野では、アクションだけでなく表情や呼吸といった微細な動きまでが再現され、視聴者の心を打つシーンが作られています。

モーションキャプチャは単なる技術ではなく、演技と表現の融合。

その役割は年々増しており、今やアニメやゲームの「リアリティ」を支える欠かせない存在です。

私たちがスクリーン越しに感じる“本物の動き”の正体は、目に見えない演技者たちの努力にあったのです。

なぜ今、モーションキャプチャが注目されているのか

かつてはSFやファンタジーに限定されていたモーションキャプチャ技術。

今ではアニメ・映画・ゲームの枠を超え、あらゆる映像作品の現場で活用されるほど重要な手法となっています。

その背景には、リアリティへの飽くなき追求があります。

たとえば、映画『アバター』シリーズや『猿の惑星』では、俳優の細かな表情や仕草までを忠実に再現し、CGキャラクターに自然な“生命”を宿しました。

また日本のアニメ業界でも『ルパン三世 THE FIRST』や『STAND BY ME ドラえもん』といった3DCGアニメ作品で積極的に採用されており、「生きているような動き」の要となっています。

『モンスターハンター』や『ファイナルファンタジー』の最新作では、一人のキャラクターに数千カットもの動作データを数年かけて収録するという驚異的な取り組みも行われています。

そして注目すべきは、俳優としての評価の高まりです。

アメリカでは、アンディ・サーキス（『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム役）をはじめ、モーションキャプチャの名演がアカデミー賞俳優部門に値するのではないかという声が上がっています。

「この演技はCGではなく、魂のこもった人間の演技だ」とサーキスは語っています。

モーションキャプチャはもはや技術ではなく、“芸術”としての地位を確立しつつあります。

観る人の心を動かすには、人間の感情表現が不可欠であり、それを可視化する手段として最も洗練されているのが、この技術なのです。

今後、アカデミー賞に「モーションアクター部門」が新設される日も遠くないかもしれません。

マツコが衝撃を受けた“現場”のリアルとは

5月13日放送の『マツコの知らない世界』で紹介されたのは、モーションキャプチャの最前線。

普段は見えない撮影の裏側に、マツコ・デラックスも思わず言葉を失う場面が続出しました。

特に注目されたのが、「人間が動物やモンスターを演じる」現場のリアルさです。

番組では、凄腕モーションアクターが“犬”を演じる様子が紹介され、マツコは「本物の犬よりリアル…」と唸りました。

全身にセンサーを付けたアクターが、四足歩行で芝居をする姿は圧巻で、まさに“体で語る”芸術そのもの。

さらに“ドラゴン”や“モンスター”といった非現実的なキャラクターも、人間の動きで演技されているという事実に、マツコは驚きを隠せませんでした。

CGキャラの背後にいるのは、無表情のスーツを着た無名の俳優たち。

しかしその動き一つひとつが、作品全体のリアリティを支えているのです。

「全然知らなかった…あの感動って“この人たち”が作ってたのね」──マツコのこの一言が、多くを物語っていました。

さらにマツコ自身がCGキャラクターに“変身”してモーションキャプチャに挑戦するという企画では、その難しさと奥深さを体感。

「ただ動けばいいんじゃなくて、“感情”まで込めなきゃダメなのね」という感想が印象的でした。

視聴者もまた、その姿を通じて、“裏方の仕事”への敬意と感動を新たにしたことでしょう。

TBS「マツコの知らない世界」がモーションキャプチャー特集放送https://t.co/tbPYwUESxq

『モンスターハンター』や『THE FIRST SLAM DUNK』の制作に、どんな技術が使われているのか──その裏側を公開📺 pic.twitter.com/OoUcxKDQ36

— KAI-YOU（カイユウ） (@KAI_YOU_ed) May 10, 2025

Q：名作の感動を生んだのは誰？モーションアクターという仕事

映画やゲームの名シーンに涙したとき──。

その感動の動きを“誰が”演じていたのか、考えたことはあるでしょうか。

答えは、モーションアクターと呼ばれる人たちです。

彼らは、CGキャラクターの“中の人”として、全身で芝居をする俳優。

センサー付きのスーツを着て、表情・姿勢・呼吸まで演じ、キャラクターに命を吹き込む裏方の主役です。

しかし、クレジットにも名前が載らないことが多く、“誰が演じていたのか”を知る人はほとんどいません。

番組でも紹介されたように、数年間かけて1キャラ2600カット以上を演じるケースもある中で、その努力が報われる機会は決して多くありません。

「僕らは観客を感動させても、拍手は届かない。けど、それでもやりたいと思える仕事なんです」

と語ったアクターの言葉には、深い誇りと矜持が感じられました。

SNS上でも、「もっと評価されるべき職業」「裏方じゃなくて主役だよ」という声が広がっており、その認知と地位の向上を求める機運も高まっています。

モーションアクターという職業は、テクノロジーと表現力の交差点に立つ存在。

彼らの存在なくして、名作の“あの動き”は生まれませんでした。

これからは、作品の後ろにいる名優たちにも、もっと光が当たる時代になってほしいものです。

見えない演技に、光を──今後の可能性と課題

モーションキャプチャは今や映像制作の主役技術の一つですが、その未来にはさらなる進化の兆しが見えています。

最も注目されているのが、AIとの融合です。

すでに一部のスタジオでは、アクターの動きをAIが補完し、リアルタイムで映像化する試みが始まっています。

さらに、VR・AR分野での活用も加速しています。

観客がバーチャル空間でキャラクターと「会話」できる体験型コンテンツでは、モーションアクターの表現力が大きな鍵を握っています。

没入感や感情のリアリティを作り出せるのは、依然として人間の演技なのです。

一方で、課題も少なくありません。

例えば、報酬やクレジット表記の不透明さ、演技力を評価する制度の不在、職業としての不安定さなどがあります。

AIやCG技術が進化するほど、「人間が演じる意味」が問われる時代にも突入しています。

それでも、心を揺さぶる表現は、やはり人間にしかできないという信念を持って、現場で体を張るアクターたち。

今後は、彼らを正当に評価する仕組みや、専門職としての地位向上が求められます。

見えないところで命を吹き込む表現者たちに、もっと光を。

それは、観る側である私たちができる、新しい“拍手”のかたちなのかもしれません。