【原作なし】ドラマ『愛の、がっこう。』に原作・実話はある？完全オリジナルの裏側を徹底解説

——この物語に、原作はない。

けれど、誰かの心の奥にずっとあった感情が、まるで台詞になって聞こえてくる。

『愛の、がっこう。』は、そんな静かなざわめきを残す物語です。

2025年7月10日より、フジテレビ木曜劇場枠でスタートする『愛の、がっこう。』。
主演は木村文乃さんと、Snow Manのラウールさん。

高校教師とホスト——交わるはずのなかった2人の出会いが、“禁断”でありながら“純愛”として描かれる本作は、SNSでも「これ、原作あるの？」「実話なのでは？」という声が多く上がっています。

この記事では、その疑問に対する答えを、公式情報・制作背景・脚本家の意図をもとに丁寧に紐解いていきます。

なぜ原作がないのにリアルなのか。なぜ心が動かされるのか。
その理由は、登場人物の“言葉にできない感情”が、きっとあなた自身の記憶と重なるからです。

まずは、公開されている予告編を一緒に見てみましょう。
「原作はない」と言われているのに、どうしてこんなに“心の奥”がざわつくのか——
その理由は、映像の空気感からも感じ取れるはずです。

いかがでしたか？
台詞のひとつひとつ、沈黙の“間”、視線の揺れ——
どれもが「これは本当に作られた物語なのか？」と錯覚させるほどにリアルで、静かな余韻を残します。

『愛の、がっこう。』に原作はある？実話なの？
1. 公式発表：完全オリジナル脚本である理由
2. なぜ実話と感じてしまうのか？そのリアリティの正体
脚本家・井上由美子とは何者か
1. 『昼顔』『白い巨塔』──名作を生んだ手腕
2. 10年ぶりの“禁断ラブ”に込めた思い
『愛の、がっこう。』はなぜ原作不要なのか
1. “分断の時代”に描く、新しい愛のかたち
2. 「脚本」×「映像」＝言葉を超える体験
相関図から見える登場人物たちの心の距離
1. 教師とホスト──真逆の人生が交差する瞬間
2. 家族・職場・夜の世界…すれ違う感情の構図
まとめ｜原作がないからこそ、私たちは“物語の共犯者”になれる

『愛の、がっこう。』に原作はある？実話なの？

まるで誰かの記憶を盗み見ているような——
そんな不思議な感覚を覚えたのは、『愛の、がっこう。』の予告編を初めて見たときでした。
高校教師とホスト。
交わるはずのない世界を生きる2人が心を通わせるというこのドラマは、多くの視聴者に「これって、実話？」「原作はあるの？」という疑問を抱かせています。

公式発表：完全オリジナル脚本である理由

結論からお伝えすると、『愛の、がっこう。』は原作のない完全オリジナル作品です。
脚本を手がけるのは、『白い巨塔』『昼顔』『緊急取調室』などで知られる名脚本家・井上由美子さん。
フジテレビの公式発表でも、この作品が書き下ろしの新作脚本であることが明言されています。

小説や漫画の映像化が多い現代において、完全オリジナルのドラマは稀少な存在です。
井上氏はこれまで、既存の枠にとらわれない“心の奥をえぐる物語”を生み出してきました。
本作もまた、「原作を超える、感情の物語」として、視聴者の想像力に語りかけてきます。

なぜ実話と感じてしまうのか？そのリアリティの正体

公式には「原作なし」とされていながら、多くの人が「まるで本当にあった話みたい」と口をそろえる。
その理由は、描かれる感情があまりにも現実的だからです。

木村文乃さん演じる高校教師・愛実は、家庭にも職場にも真面目すぎるほどに尽くしながら、どこか満たされない心を抱えています。
対するラウールさん演じるホスト・カヲルは、自由に見えて、実は読み書きが困難</strongという深い孤独を背負っています。

「正しさ」に疲れた人間と、「自由」に縛られた少年。
その2人が、偶然のように出会った夜——
物語が始まる前から、私たちの胸は静かに騒ぎ始めるのです。

この“リアリティの正体”は、井上由美子さんが脚本で描く人物たちの「内面の揺れ」にあります。
目立った事件も劇的な展開もないのに、なぜか胸が痛む。それは、私たち誰もが持っている「言葉にできなかった感情」が、静かに台詞となって現れているからなのです。

脚本家・井上由美子とは何者か

『愛の、がっこう。』が“原作なし”でありながらも、深い感情と説得力をもって描かれているのは、脚本家・井上由美子の存在があってこそです。
彼女が描く物語は、ただのフィクションではありません。誰かの「現実になりえた感情」を、丁寧にすくい上げたドキュメントに近いのです。

脚本家・井上由美子さん　魅力的な噓で面白いドラマを – 日本経済新聞 https://t.co/CpzJbpHfHR

— 日経文化 (@nikkei_bunka) May 24, 2025

『昼顔』『白い巨塔』──名作を生んだ手腕

井上由美子さんは、日本のテレビドラマ界で「人間の複雑な感情を描き出す名手」として広く知られています。
彼女がこれまでに手がけた代表作には、次のような作品があります。

『白い巨塔』（2003年／唐沢寿明主演）
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』（2014年／上戸彩主演）
『緊急取調室』（シリーズ／天海祐希主演）
『14才の母』（2006年／志田未来主演）

これらはいずれも、“社会の倫理”と“個人の感情”がせめぎ合う構図を通じて、視聴者に深い問いを投げかけてきました。
井上氏の脚本には常に、「正解のない世界で人はどう生きるか」というテーマが根底に流れているのです。

10年ぶりの“禁断ラブ”に込めた思い

今回の『愛の、がっこう。』は、井上由美子さんが『昼顔』以来10年ぶりに挑む“本格ラブストーリー”です。
しかし、『昼顔』が描いたのが“不倫”だったのに対し、今作では「高校教師とホスト」というさらに異質で複雑な関係性がテーマになっています。

井上さんは以前、あるインタビューでこう語っていました。

「正しさの中で、人は本当に幸せになれるのか。
その問いに、ずっと向き合ってきた気がします」
──井上由美子（脚本家インタビューより）

この言葉のとおり、『愛の、がっこう。』は、倫理と感情の狭間にある登場人物たちの“葛藤”を通じて、
「生きるとは？愛するとは？」という、普遍的な問いを私たちに投げかけてくるのです。

『愛の、がっこう。』はなぜ原作不要なのか

原作がない——
それは時に、「物語としての弱さ」と捉えられることもあります。
しかし、『愛の、がっこう。』においてそれはむしろ最大の強みです。
この物語は、既存の枠では描ききれない“今という時代”の空気を、そのまま脚本という形で掬い取っているからです。

“分断の時代”に描く、新しい愛のかたち

現代は「分断」の時代だといわれます。
貧富の格差、学歴差、ジェンダー、SNSによる価値観の衝突……
誰もが孤立し、誰かとつながることに臆病になっている——そんな空気が、この時代には漂っています。

『愛の、がっこう。』が描こうとしているのは、まさにそうした“すれ違い続ける心”の物語です。
教師とホストという立場を越えて、人が人を理解しようとする勇気。
それは原作にはない、「いま生まれるべき物語」であることの証です。

誰かを好きになることは、
その人の“背景”ごと引き受ける覚悟なのかもしれません。

「脚本」×「映像」＝言葉を超える体験

脚本を担当する井上由美子さん、演出を手がける西谷弘監督。
この名コンビは、2014年の『昼顔』以来、再びタッグを組んで本作に挑んでいます。

西谷監督の演出には特徴があります。
言葉にならない“間”や“沈黙”を、映像と音で表現すること。
それによって、台本上には書かれていない感情が、画面からじんわりと滲み出るのです。

つまりこの作品は、「脚本」と「映像」の化学反応によって成り立つ、“体感するドラマ”なのです。
原作がないからこそ、台詞も演出も“最初からここに生まれたもの”。
だから視聴者の心に、まっすぐ届いてくるのでしょう。

相関図から見える登場人物たちの心の距離

※本相関図は、フジテレビ公式サイトの情報を参考に、フリー素材を使用して当サイトが独自に作成した画像です。
素材は著作権フリーの範囲で利用しており、キャスト写真や公式ビジュアルは使用しておりません。
登場人物や関係性は今後の放送で変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。

登場人物の“関係性”を一目で整理するための相関図。
しかし『愛の、がっこう。』では、その線と線の間に、もっと大切なものが流れています。
それは、目に見えない感情の距離です。

ここでは、物語の中核をなす人物たちの心のつながりを、静かに交差する感情の軌跡として紐解いていきます。