【私が見た未来】2025年7月5日、日本で大災害は起きる？気象庁が予言否定、作者も7月5日説を修正

「2025年7月5日、日本で大災害が起きる」──そんな不安な予言が、いま多くの人の胸をざわつかせています。

この話題の発端は、漫画家・たつき諒さんが描いた『私が見た未来』という一冊の漫画作品。その中で描かれた“予知夢”が、東日本大震災や新型コロナウイルス流行を“的中”させたとされ、SNSやメディアで広く拡散されてきました。

しかし、ここにきて作者自身が「7月5日は災害の日ではない」と新たに軌道修正。さらに、気象庁も“科学的根拠はない”と公式に否定しています。

本記事では、そもそも『私が見た未来』とは何なのか、2025年7月5日という日に本当に何かが起きる可能性はあるのか、作者の最新コメント、映画化情報、そして私たちが取るべき防災行動について、最新情報をもとに時系列でわかりやすくまとめます。

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『天使の遺言』本日発売❗️「私が見た未来」の作者がどうしてカリスマ的存在へとなったか・・・、彼女が自らの半生を実直に綴る🌈YU pic.twitter.com/NQ30iT3ZoX

— 紀伊國屋書店鹿児島店 (@Kino_Kagoshima) June 18, 2025

『私が見た未来』とは？｜東日本大震災を予言したとされる伝説の漫画

「たった一冊の漫画が、これほどまでに人々の心を揺さぶることがあるのだろうか」──そう思わずにはいられません。

『私が見た未来』は、1999年に女性漫画家・たつき諒さんが出版した単行本です。当初はごく限られた読者にしか知られていませんでしたが、その存在が大きく注目されるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災。

驚くべきことに、初版の表紙には「大災害は2011年3月」と明記されていたのです。この一文が、のちに“震災を予言していた本”としてSNSを中心に広まり、多くのメディアで取り上げられることになりました。

「この本は、20年以上前に描かれた夢の記録。その一部が現実になったことで、私は思わぬ形で人々に知られることとなりました」
──たつき諒『天使の遺言』より

1999年のオリジナル版と、2021年出版の『完全版』

1999年に発売されたオリジナル版は、現在では絶版となり、古書市場で高値が付くほどのプレミアム本となっています。

しかし、2021年10月、たつき諒さん自身が新たな解説と“未発表の予知夢”を加えた『私が見た未来 完全版』（飛鳥新社）が発売され、事態はさらに大きく動き出しました。

この『完全版』には、たつきさんが2000年代に見たとされる「2025年7月の大津波」の夢が初めて明かされ、その内容がメディアやSNSで一気に拡散。「次に来る大災害は2025年7月なのか？」という不安が、瞬く間に広がっていきました。

特に中国語版の発行や、香港や台湾、韓国などの一部メディアによる取り上げによって、海外でも大きな話題に。「日本への旅行を控えるべきか？」と心配する声が各国から寄せられるなど、影響は国境を越えて広がりました。

「私はただ、夢を見たことを正直に描いただけです。それがこれほどの反響を生むとは思いもしませんでした。」
──たつき諒『天使の遺言』より

そして、2025年7月が近づく今。「7月5日説は本当なのか？」という世間の問いが、かつてないほど大きくなっているのです。

なぜ「2025年7月5日」が特別視されたのか？｜“夢を見た日＝災害の日”という誤解

「2025年7月5日に日本で大災害が起きる」──この日付が、どうしてここまで一人歩きしてしまったのか。

その答えは、たつき諒さんが2021年に出版した『私が見た未来 完全版』のあとがき部分にあります。

たつきさんはこの中で、自身が“予知夢”を見た日が2021年7月5日であったことを記載し、さらにその夢の内容について「次に来る大災害は2025年7月」という表現を使いました。

この文章が、SNSや動画メディアで次第に切り取られ、やがて「2025年7月5日に大災害が起きる」という誤情報として広がっていったのです。

「2025年7月」「7月5日」の根拠と誤解の経緯

実際には、たつき諒さんご本人が2025年7月5日を“災害発生日”として断定した事実はありません。

むしろ、2025年6月に出版された最新の著書『天使の遺言』（文芸社）の中で、彼女ははっきりとこう述べています。

「夢を見た日＝何かが起きる日というわけではないのです」
──たつき諒『天使の遺言』より

さらに同書内では、「あくまで“予知夢を見た日”と“現実に起きる日”は別である」ことが繰り返し説明されています。

たつきさん自身も、急ピッチで進んだ『完全版』出版作業の中で、“誤解を招く表現が残ってしまった”と振り返り、次のように胸の内を明かしています。

「結果的に出版社の意向中心で出版されてしまったことに、不本意な思いもありました」
──たつき諒『天使の遺言』より

つまり、「2025年7月5日」はSNSが生んだ“都市伝説的な誤解”であり、科学的な根拠も、作者本人による明確な断言も存在しないのが実情なのです。

それでもなお、「その日」が近づくにつれ、多くの人の心がざわついてしまう…。それが災害というテーマの持つ、人間の根源的な恐怖なのかもしれません。

気象庁が“7月5日大災害説”を公式に否定

“7月5日に大地震”の予言は「デマ」と気象庁長官　「現代科学で予知は不可能」 https://t.co/WQWHAflabo

— テレ朝NEWS (@tv_asahi_news) June 13, 2025

「本当に7月5日に大災害が起きるのか──？」

そんな不安が世間で広がるなか、ついに日本の防災行政の中枢が公式に動きました。

2025年6月13日、気象庁の野村竜一長官は、定例記者会見で次のように明確な否定コメントを発表しました。

「現在の科学的知見では、日時と場所、大きさを特定した地震予知は不可能。そのような予知の情報はデマと考えられる」
──気象庁・野村竜一長官（2025年6月13日 定例会見）

「科学的に不可能」「デマ」──この二つの言葉は、これまでSNS上で錯綜してきたさまざまな情報に、明確な区切りを打つものでした。

野村長官の発言：「日時と場所を特定した地震予知は不可能」

野村長官はさらに、日本政府の公式見解として「日時を特定した地震予知は、現在の科学技術では不可能である」ことを改めて強調。

これは、国としての防災政策において非常に重い発言です。

また、長官は会見の中で、「不安な情報に惑わされるのではなく、正しい防災情報に基づき、冷静に行動してほしい」と、国民に向けて冷静な対応を呼びかけました。

この発言により、「2025年7月5日に大災害が起きる」という噂が科学的根拠のない都市伝説であることが、改めて公的に確認された形です。

それでもなお、「もしも本当に何かが起きたら…」という不安が完全に消えないのが、人間の心の弱さでもあります。

だからこそ、今この瞬間から、正しい知識と冷静な判断力を持つことが、何より大切なのかもしれません。

それでも不安は消えない…映画『2025年7月5日午前4時18分』とは？

「もし本当に、その朝に何かが起きたら──」

そんな漠然とした不安に包まれる中、2025年6月27日、ついに映画『2025年7月5日午前4時18分』が全国公開されました。

この作品は、たつき諒さんの『私が見た未来 完全版』で描かれた“予知夢”をモチーフにしたフィクション映画です。

映画タイトルにもある「午前4時18分」は、たつきさんがその夢を実際に見たとされる時間帯に由来しています。

予言をモチーフにしたフィクション作品が公開へ

映画『2025年7月5日午前4時18分』は、ドキュメンタリーではなく、完全なエンターテインメント作品です。

劇中では、「7月5日」という日付を巡って混乱する人々や、SNSで情報が拡散していく様子がリアルに描かれており、まさに現在の日本社会で起きている“集団心理”そのものがテーマとなっています。

一方で、作品のプロモーションでは「この映画は事実に基づくものではありません」「予知や占いに科学的根拠はありません」という注意書きがはっきりと明記されています。

「この作品はフィクションであり、実際の出来事とは関係ありません。」
──映画『2025年7月5日午前4時18分』公式サイトより

映画化によって、7月5日への関心がさらに過熱しているのも事実ですが、あくまで事実とフィクションの境界線は冷静に受け止める必要があります。

ただ、「恐怖」や「不安」をエンタメとして昇華することも、私たちの心の整理法のひとつかもしれません。

観終わったあと、「自分は本当に大切な備えをしているだろうか？」と、ふと胸に問いかけたくなる。そんな作品に仕上がっています。

「私が見た未来」の本当のメッセージ｜今できる防災意識の高め方

「本当に大切なのは、未来を当てることではなく、未来を守ること」

これが、たつき諒さんが『私が見た未来』や『天使の遺言』を通じて、私たちに一番伝えたかったメッセージなのかもしれません。

2025年6月25日、たつきさんは産経新聞の取材に応じ、次のようにコメントを寄せています。

「この関心が安全対策や備えにつながることを願っております」
──産経新聞（2025年6月25日付）

これまでの一連の騒動に対しても、たつきさんは終始一貫して「防災意識の向上」を優先に語ってきました。

作者の願いは“防災意識の向上”

たつきさんは『天使の遺言』のなかでも、自らが備蓄を見直し、「外出時には特に気をつけている」と語っています。

「いつ・どこで起きてもおかしくない自然災害」というのは、科学的にも事実。

そして、「予言が当たるかどうか」という議論に振り回されるより、今できる現実的な備えに目を向けることこそが、未来の自分や大切な人を守る第一歩です。

もし、この記事を読んで少しでも胸がざわついたなら、その感情は「備えろ」という、未来からのサインかもしれません。

今日、この瞬間からでも遅くはありません。「水」「食料」「バッテリー」「避難場所」──できることから、ひとつずつ。

恐怖に飲まれるのではなく、恐怖を力に変えて、未来に向かって生きること。

もしもの備えに｜おすすめ防災グッズ＆関連書籍

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「今、できることを、今日から一歩ずつ」

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まとめ｜2025年7月5日は特別な日ではない。しかし「備え」は裏切らない

「2025年7月5日、日本で大災害が起きる」──その言葉が多くの人の不安を呼び起こしました。

しかし、現時点でその予言を裏付ける科学的根拠は一切ありません。

気象庁も公式に「日時を特定した地震予知は不可能」「デマと考えられる」と明言しています。

そして、『私が見た未来』はあくまで一人の漫画家による“夢の記録”であり、現実の未来予知ではないことが、作者自身の口からも語られました。

それでも、今回の騒動が、「防災について考えるきっかけ」となったのは事実。

不安に飲まれるのではなく、冷静に、そして前向きに。

「大切な人を守るために、何ができるか」

その問いに一歩近づくきっかけとして、2025年7月5日を「自分自身の防災デー」にする──それもまた、ひとつの前向きな選択ではないでしょうか。

「備えは裏切らない」──それは、どんな未来が来ようとも変わらない真実です。